書体分類に含まれない「書体」と資料
- 注
- ここには,汎用的な使用を目的として字母からつくられる書体以外の文字を収載しています。
- パッケージ,ポスター,映画の字幕などの手書き文字なども,ここに収載する対象とします。
1. 謄写印刷用書体,資料
- 草間京平の明朝体
- 草間京平は「孔聖」(「孔」は孔版,すなわち画線部に印刷インキを浸透させるタイプの印刷版のことで,謄写版,スクリーン印刷に用いられる),謄写印刷の天才と言われた。明治35年に生まれ,昭和46年,68歳で没す。 ここに挙げた明朝は,草間京平作『沿溝書体45周年記念製版』からのもので,出典は里美村教育委員会編集・発行『草間京平伝』(平成11年刊)である。なお草間京平は里美村の出身。里美村は市町村合併により,現在は茨城県常陸太田市里美。
- 実習謄写印刷講座
- 太平洋戦争後から昭和30年代までは謄写印刷は身近な存在であった。NHKラジオ講座としても「謄写版印刷技法」が放送されていたほどである。 この『実習謄写印刷講座』は昭和26年,綜合孔版社発行のテキストで,その前半と奥付を示した。いまでは貴重なものである。この本自体,謄写版でつくられている。
- 逍遥派
- 大正から昭和初期にかけての文芸同人誌はほとんど例外なく謄写版印刷であった。ここに示すのは同人誌『逍遥派 第一号』である。発行:白塔社,編集兼発行者:森中光二郎,秋雅秀,昭和4年12月1日に発行された。文字も格調高く,味わいのあるすばらしい版面となっている。謄写版印刷と,その文字を抜きにして「印刷書体」を語ることはできないことがわかる。
2. ポスター